最近しばしば見るサイトを開こうとして、アドレスバーに「あ」と打ち込んだ。僕のブラウザはその一文字だけで、「あのみずうみを越えて」というブックマークをサジェスチョンした。このタイトルはどこかで見たことがあるけれど何だったかな、と思い当たるま…

いつもの仲間内でのスカイプが終わって、彼女が風呂に行き、僕も眠る用意をしている12時過ぎだった。 抜けたばかりの会議通話に久しぶりに見る名前が追加された。懐かしい名前だったので思わずどうしたのかと問うと、ゲームのロビーに現れたので呼んでみたの…

今年のクリスマスにはきっと「プラネットライカ」をもう一度プレイしようと思っていたのに、また今年もプレイしないままクリスマスが終わってしまった。セリフやディテールを反駁できるほどやりこんだから、わざわざこの季節になって思い出さなくても構わな…

悪意のない、夏の嵐のような残酷さのあるものがたりが書きたいと思う、嵐とはわかりあえなくても誰もそのひとを責めることはない。

不調だ。 昨日あまりに眠れず、眠れてもすぐに起きてしまうことに苛々して、久しぶりに睡眠薬を飲んだ。前にその薬を飲んだときはいわゆる健忘を起こしてしまったので避けていたのだが、昨日はそういったこともなく無事に夜を過ごした。子供のころから昼間の…

ただただ祈る、それだけで何かが誰かに届くとは思わないけれど、それでもそうやって遠くから眺めることしかできないものごとというものがある。 干渉ができる(かもしれない)くせに祈るポーズを取っているだけなら、連絡のひとつもしてみろと思うのだが、そ…

五月に、僕は執着心があまりないという話を書いたけれども、彼女もまた独特な執着心を持っていると僕は考える。 彼女はなにかに集中すると周りがまったく見えなくなる。僕がいくらもうやめろと止めても満足するまで、それが終わるまで止めないし、どうしても…

気がつけばカレンダーのすぐ向こうに、一年の半分を示す月が見える。六月の到来はいつでも早い。僕は学生時代には必ず六月に調子を崩していた。崩したまま次の四月まで持ち越すような年もあった。四月は、本来僕は嫌いではない時季だが、気持ちが崩れている…

これが自分の役割だ、なんて思ってなにかをしているひとはいない。僕はこの役割をやめたい。とりあえず「私なんか」という言葉を枕詞にして僕になにかを持ち込むひとを突き返したい。

ほんとうのことを言うと嫌がるひと、というのがいる。いや、ひとには、指摘されたくないほんとうの部分がある、というべきかもしれない。 ひとの心をとらえるためのひとつの簡単な方法がある、それはその相手の「指摘されたくないほんとうのこと」に触れるこ…

「耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳」という奇妙な題名のライトノベルがあるのだと知ったのは、いつのことだったのか、覚えていない。 最初にその本のレビューを見かけたときは書影さえも知らなかった。ネルリという耳刈り部族(と、思ったのだ、最初は)と「…

ふと思い立って会社帰りに早稲田松竹に寄り、ビクトル・エリセ特集の「ミツバチのささやき」を観てきた。初めて観たのは多分16歳の頃だったと思う。あの頃はほとんど引きこもり同然の生活だった。何も書けず、何も読めない日々が続いて、僕が出来たのは毎日…

僕は、およそ自分を咬んだり、刺したりするような本だけを、読むべきではないかと思っている。僕たちの読んでいる本が、頭蓋のてっぺんに拳の一撃を加えて僕たちを目覚ませる事がないとしたら、それではなんのために僕たちは本を読むのか?君の書いているよ…

気がついたらもうかなりの時間が経っている。Evernoteのノートの中に、ここに投稿しようと思って書きかけていた文章が残っているのを見て思い出した。 僕の生活は特に変化はない。仕事はそこそこ忙しい、が、明らかに去年よりも減った。ずっと携わっていたあ…

ナルコレプシーだと確定診断された。ここ数ヶ月あまりに昼間の眠気がひどく、日中の業務中にある決定的な事件が起こってしまい、さすがに何かあるのかもしれないと睡眠障害専門の精神科を受診して分かったことだった。そういえば(そんな大きな問題を「そう…

僕が、その皮肉っぽさが好ましいと思って近付いたひとが、仲良くなったあとで僕に薦めてくるものは、どうしてこんなに甘ったるいメルヘンチックなものが多いのだろうか。仲良くなるまえは尖ったものを見せてばっかくるくせに。最初に僕が彼女に惹かれたのは…

アンドルー・クルミー『ミスター・ミー』。愉しい。この漢字を使いたい、と電車の中でこれを読みながら思った。今はミー老人がカトリアナの背中を流すシーン。ミスター・ミー (海外文学セレクション)作者: アンドルークルミー,Andrew Crumey,青木純子出版社/…

なにか文章が書きたいと思うのだけれどもなにも出てこない。憂鬱だ。 最近、『たったひとつの冴えたやりかた』がぴんとこなかったので何年も手にとっていなかったジェイムズ・ティプトリー・ジュニアをまた読んでいるのだけれど、やはりあまり合わないのかも…

さっき乗っていた電車で、おもむろに僕の目の前に座っていた女の子が髪を結いはじめた。髪をいじる様子というのはどこか魔法じみているといつも思う。それは僕にはできないことだからかもしれない。子供のころ魔法みたいだと思っていたことのいかに多かった…

学生時代の友人に、久しぶりに飲まないかと誘われた。新宿の指定された店に行ってみると確かにそこには懐かしい顔が揃ってはいたのだが、それと同じ数だけ初めて顔を合わせる女の子たちがいた。一応お前に彼女はいないことになっているから、と言われて、あ…

金曜日の終電近い帰りの電車の中でとてもきれいな女の人を見た。彼女を見ていて突然、書きとめたいことがある、と感じた。そうして帰った僕はいま衝動的に日記をつけはじめることにした。何も計画だとかそういったものはない。これまで僕はなにかを残したい…